2015年4月24日金曜日

ADHD 運動が集中力を改善

運動がADHDの子どもの注意力や集中力を向上させることが判明
2015年4月20日 19時0分
GIGAZINE(ギガジン)  
By Brittany Randolph
 
 不注意、多動性、衝動性といった症状を持つADHDは、いまだに原因が完全に判明していない発達障害の1つで、子どもだけでなく大人になっても症状に苦しむ人たちがいます。ADHDの症状を持つ人、特に子どもは学校での成績に悪影響を与えることがあり、今までにさまざまな改善策が模索されてきました。そういった中で、ある大学の研究から運動がADHDの子どもの注意力や集中力を向上させ、学校での成績を改善する可能性があることが判明しています。

Measurement of the Effect of Physical Exercise on the Concentration of Individuals with ADHD
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4372555/
 
 発症原因についていまだに議論が分かれているADHDは根本的な治療法が見つかっていない一方で、2014年に運動によってADHDの症状が回復したという報告がありました。ただし、運動がADHDの患者に及ぼす影響を測定して定量化する実験は実施されていませんでした。そこで、ブラジルのモジ・ダス・クルーゼス大学とサンパウロカトリック大学の合同研究チームは、ADHDの患者を対象に実験を行い、運動がADHDの症状に与える影響を統計・分析し定量化に成功したわけです。
 合同研究チームが行った実験は、被験者に5分間のランニングをしてもらい、ランニングの後にゲームをプレイさせて、その結果を統計テストやポストホックテストを用いて分析するというものです。実験は、10歳から16歳の合計56名の被験者を「ADHDの症状アリでランニング・ゲームプレイの両方参加(グループ名:GE-EF)」「ADHDの症状ナシでランニング・ゲームプレイの両方参加(GC-EF)」「ADHDの症状アリでゲームプレイのみ参加(GE)」「ADHDの症状ナシでゲームプレイのみ参加(GC)」4つのグループに分けて行われました。

By John R. Hofmann Sr.

 実験では、まずグループGE-EFとGC-EFの被験者が休憩なしのリレーレースを5分間行い、5分のインターバルを挟んでゲーム「プリンス・オブ・ペルシャ」をプレイ。ゲームのプレイは事前にゲーム内で行うタスクが決められており、被験者は可能な限り早くタスクを完遂する必要があります。タスクを完遂するには、ゲームのシナリオをよく読んで理解し、そこからヒントを得る必要があり、集中力や論理的思考力が問われるものとのことです。
 ゲームプレイには5分間の運動を行わなかったGEとGCのグループも参加し、研究チームは4つのグループの実験結果をダゴスティーノ検定・クラスカル・ウォリス検定・ポストホックテストを用いて分析。なお、ゲームプレイの結果に正確性を持たすために、被験者には事前に別のゲームをプレイしてもらい、ゲームの腕前が中級レベルと判断された子どものみが採用されました。
 各グループの実験は別日に行われましたが、実験に用した時間は全てのグループで統一。研究グループが実験結果を分析したところ、ランニングの後にゲームをプレイしたADHDの症状を持つGE-EFのグループは、ゲームプレイのみ参加したADHDの症状を持つGEよりも、35%高い数値を記録しました。つまり、ゲームの前に運動を行うのと行わないとでは、運動したほうが約35%ほど良い結果をもたらすということです。

By Erik (HASH) Hersman

 また、GE-EFのグループと、ADHDの症状ナシでゲームプレイのみ参加したGCのグループでは、分析結果に約2.5%の違いしか発生せず、非常に似通った数値を出したことも分かりました。
 研究グループは今回の実験で短時間の激しい運動がADHDの子どもの注意力や集中力を向上させることができることが判明したと結論づけています。また、運動を利用すればADHDの子どもの学校における成績向上に何らかの影響を与えられる可能性があるそうです。


カウンセリングルーム 希望の翼です。
http://tubasa-counseling.com/



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