2017年1月26日木曜日

色の世界を初体験(色覚補正めがね)


  66歳のこの年齢になるまで見たこともない色の世界を体験した。
   私の目には、桜の花の色は余程濃い色でない限り白い花でしかない。秋の紅葉を黄色以外美しいと思って眺めたことがない。紅葉狩りという言葉があるようだが、私には無縁の世界だった。山登りにはよく行ったが、紅葉に時期に、周囲は「わー!、きれい」と歓声を上げるが、私には「へー」としか思えなかった。
 そう、私は色覚異常者だった。赤緑色盲という診断名でした。もちろん日常生活には何の支障もなかった。高校の進路選択の時に、理系をやめて文系にしなければならなかったときは、さすがに辛かった。が、今の時代はそんなこともないらしい。かといって、私みたいに色の世界を楽しめない人が、少なからずいることに変わりはないと思われるが。
 が、しかしである。それが変わる事態が起きていた。私には青天の霹靂と言いたいような事態である。え~!!そんなのあり~!!と言う事態である。色覚補正めがねの登場である。
 先日めがねを買い換えようとして、メガネスーパーに出かけた。それがその店にたまたま、検査道具等が置いてあると言うことで、早速受けてみた。そしたらなんと、あのつぶつぶの検査表が見えたではないか。くっきりと。驚きである。そう思っていたらお店の人の計らいで、しばらく外の景色でもと言うことになり、しばらくそこらを歩いてみた。向かいの店の着物屋さんへ入る。綺麗な振り袖が飾ってある。色鮮やかであった。見事であった。こんなにも綺麗なものかと、しばらく感動に浸っていた。また、眼鏡屋さんのお店で見せてもらったいくつかの写真の中に桜もあった。それがピンクなのである。人々はこんな色合いの景色を見ているのだなあと、羨ましく思った。自分が残念にも思った。が、まあ、これが自分の人生かとも思う。
 ちなみに値段を聞いた。7万円である。その値段を聞いて、今更いらないやとも思って、帰った。でも、若い人には朗報だと思う。高いけどぜひお試しあれと思う。そう思って、この文章を書いた。それにしても、あの桜がピンクに見えた。嬉しい。
 

マインドフルネスとADHD


 最近テレビなどでよく報じられているマインドフルネス。多くはうつとか大人を対象にした取り組みの話であるが、実は児童・生徒を対象とした取り組みも行われており、その効果も実証されている。
 
  そこで今回は、藤田彩香氏ら(2013)の実践的研究を読み、具体的にはどのような効果があるのかを整理してみたいと思う。
 氏らの研究の対象は8~11才の児童。
 結果は、
   多動衝動得点の改善は、不注意優勢型では、75%。混合型では、18%。
      不注意得点の改善は、不注意優勢型では、48%。混合型では、30.2%。
   であった。
  同じくADHDであっても、その効果はそれぞれ認められるものの、その型によって、大きく異なるようである。しかし、いずれにしても不注意行動、多動衝動のどちらにおいても改善が見られると言うことである。また、氏らは考察で前頭葉の注意機能の改善は期待できないものの、頭頂葉の注意機能の改善は期待できるとしている。つまり、マインドフルネスは、行動などの変化だけではなく、脳機能の変化も期待できる取り組みであるようである。脳機能への効果については、日和悟氏ら(2016)も、MRIを使った研究で、数息観と言われる初心者を対象とした簡単な集中瞑想においても、注意制御への影響が生じていると報告している。
  私自身の児童への取り組みにおいても、児童が終了後に落ち着いた様子を見せ、「気持ちよかった」と言う感想を聞くにつけても、それ相応の効果があるのではないかと思っている。もちろん長期的に経過を見ないといけないが。
 


参考文献 不注意及び多動・衝動行動を示す児童に対するマインドフルネスの効果 
                         山下歩、蓑崎浩史、西川真生、森彩香、島田洋徳
                                         人間科学研究 第28巻 2号(2015) 
                  児童に対するマインドフルネストレーニングがADHD症状改善に及ぼす影響
                        藤田彩香、橋本累、島田洋徳
                                    Human Development Research(2013、Vol27)          
                 脳機能情報による瞑想状態の検討
                       日和悟、飯塚まり、廣安知之
                    The 30th  (2016)