2015年10月16日金曜日

不登校になりそうだ どうしたらいい?

不登校になりそうだ どうしたらいい? 
 
   車で送っていけるのだったら、連れて行きましょう。
 
 どうしても乗らない。どうしても降りない。その場合は無理はしない。
 不登校には、「頑張りすぎて、行きたいけれども行けない」とか、「少しゆっくり休ませましょう」「登校刺激をせずに」とか、あるいは「登校刺激を与えてはいけない」などと言った固定的な考えが広く行き渡っているように思われます。
 
   米澤(2011)は、「高い不登校の一因」となっていると述べ、不登校児(生)には、「学校へ行きたいが行けない子」だけではなく、
 
   ① 学校へ行くことの意義を感じないマイペース型
 ② 頑張ることへの懐疑型
 ③ 萎縮緊張型
 ④ 他者による自己への評価についての不安が高く、逃避や防衛に走る自己評価不安型
 ⑤ 環境不適応、適応不全によるもの(小1・中1、転校生に多い)
 ⑥ 友人関係とのトラブルが原因の親和不安
 ⑦ 母親等との心理的な分離を不安に感じる分離不安型
 ⑧ 虐待のうちネグレクトによるもの
 ⑨ 不登校という行動で教師や親の注目を集めたい自己への注目希求型
 ⑩ 睡眠障害によるもの
 
   等々様々な理由・タイプがあり、刺激や支援が必要な場合があり、それぞれの事情と 特性を理解した支援が必要であると述べ、更に氏は、学校現場にも広く広報していく必要があると言っている。
 

    私自身、例えば親御さんや学校の先生方から「学校へ来させていいですかね」と言った質問を受けることがしばしばある。そうしたときどう答えるか。「車に乗せてでも連れてこられるなら登校させましょう」。本人が車に乗らないとか、車から降りないとかして、登校することを強く拒むなら、もちろん、「無理をしない」と答えています。その時は、本人の思いに寄り添いながら、理解を深めながらそれに応じた取り組みをすると言うことになります。
 もちろん、学校に来ているからと言ってそれでよしというわけではなく、少なくとも「登校渋り」があるわけですから、米澤が指摘しているような観点から、理解を深め支援を講じるということになります。
 
   いずれにしても、今だに単純に「登校刺激を与えない」「ゆっくり休ませる」などと半ば機械的に取り組まれていることが存外多いことに、氏と同様に私自身も違和感を感じています。


 参考文献
   和歌山大学教育学部教育実践総合センター紀要(2011) 
      学校教育における発達支援の事例検討    米澤好史

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2015年10月7日水曜日

「愛着障害」脳が20%減少

    新聞より
 
    親から虐待を受け、情緒不安定になる「愛着障害」の子どもは健常な子と比べ、視覚や感情の働きに関わる脳の部位の容積が減っていることが福井大の研究で分かった。障害の仕組みの解明や予防法の開発につながる可能性がある。

  福井大の研究グループが十~十七歳の愛着障害の二十一人を対象に、脳を磁気共鳴画像装置(MRI)で調べた。後頭葉で脳神経細胞が集中する灰白(かいはく)質の容積が局所的に少なく、虐待を受けなかった健常な二十二人と比べ、平均で20%減っていた。情緒面や対人関係の問題が深刻な子ほど、減る傾向にあった。
 
   愛着障害は身体、心理的虐待やネグレクト(育児放棄)が原因で起きる。発達障害と酷似した症状のため診断が難しく、国内の統計はない。
 
   海外には施設や里親の養護を受ける子の四割に愛着障害があるとの研究がある。
 研究の中心を担った島田浩二特命助教(34)は「障害になる前に異常が見つかれば、発症を予防しやすくなる可能性もある」と話す。


   2015年(平成27年)10月7日(水) 中日新聞 CHUNICHI WEB


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