2013年10月26日土曜日

こんな記事がありました

 アメリカの製薬会社がどうやって、新たな日本のうつ病観を作り上げたか。新しい「うつ」を、どうやって「病気」にしたてあげ、ブームを作り、一大マーケットを形成したか。それを描いているのが『クレイジー・ライク・アメリカ』という本の第四章「メガマーケット化する日本のうつ病」だ。
 

 いきなり京都での豪勢な接待場面からはじまる。接待されているのは精神科医であり研究家のカーマイヤー。接待しているのは製薬会社だ。だが、「我々の薬を使ってください」という接待ではない。“文化がどのように病気の体験を作り上げていくのか”を調査するためだ。
 それまで、日本の「うつ」は、“慢性的で破壊的な、仕事を続けたり、上辺だけでも普通の生活を送ったりすることが困難になるような精神疾患”だった。重く、珍しいものだった。
だが、それでは市場規模が小さすぎる。製薬会社としては、日本人に、悲しみや抑うつに対する考え方を変えてもらう必要があったのだ。
1902年の日本。
 “診察を求めて病院を訪れる患者全体の実に三分の一がこの新しい病気にかかっている”と記事に書かれた「病気」がある。何か?神経衰弱である。大ブームだったのだ。
 神経衰弱の自己診断法やチェックリストがメディアで喧伝される。
 不眠や耳鳴り、集中力の低下、目の疲れや、頭に鍋をかぶっているような感じといった症状が挙げられ、エリートがかかりやすいと言われ、自分は神経衰弱ではないかと心配になり、薬市場が活況を呈す。
 
 
 
 
 こういった状況と今のうつ病の状況が似ている、と著者は指摘する。
エキサイトレビュー 2013年10月21日 11時00分 (2013年10月24日 02時01分 更新 から

  いつもうつについて考えている私にとっては、かなり衝撃的な記事です。もちろん早速に信じているわけではありませんが。考えさせられます。


2013年10月25日金曜日

 スクールカウンセラーをやっていてしばしば聞くこと。

 いろいろ相談事があっても、あるいは聞いて欲しいことがあっても、なかなか相談に来られない。中には、2年かかりましたと言う方もおられました。行こう行こうと思いながら、とうとう2年かかった。やっと人に自分の思いを聞いてもらえたと言って、泣かれる方も見えました。先日も、PTAかなにかで見えていた方と立ち話をする機会があって、カウンセラーですと名乗ると、子ども達にも行け行けと言われているのですが、学校を通すんですよね。いろんなことを聞いて欲しいことがあるんだけど、行けないよ、とおっしゃっていた。来て頂くと、ほとんどの方は、継続か、あるいは、話を聞いて頂いてすっきりしましたとおっしゃるのだけれども、どうにも敷居が高いように思われる。
 
 これは学校だからと言うこともあるけれども、しかし、人に相談するというのは、どうにも抵抗があるという方も多いのかもしれない。
 

2013年10月23日水曜日

原風景

 地元の年配の方々を招いての芋煮会。このような行事をしている学校が今もあることに驚く。

  
 しかも参加された方々は、おそらくほとんどが卒業生と思われ、校歌を歌う際には一緒に歌っていた。
 子ども達が、竹馬に乗ったり、フラフープを回したりしていたが、これは私の小学校時代そのもので、懐かしさがこみ上げてきた。その後に続く歌も、懐かしいものばかりで、まるで自分がタイムスリップし子ども時代に戻ったかのような気分に襲われた。もちろんこの地域の方々も、お孫さんの活躍ぶりに目を細めたに違いないが、私と同様に懐かしさの中に浸っていたのではないかと思われる。
 私にとっては、一つ一つの出し物がもはや滅多に見られない気がすると同時に、こうした取り組みそのものや、この収穫物を地域の方々と子ども達が一緒になって頬張る姿そのものが、原風景であった。
 共同体がしっかりしていて、お互いが見つめ合い支え合っている社会には、精神的な病はほとんどないと言う。先日書いたNHKの番組の件では、自分が社会から遊離していると感じる、その孤独感がうつの要因とあったが、そのことを今回しみじみと考えさせられた。少し大げさかもしれないが、社会とは何かを改めて思う。
 

カウンセリング

  いろいろな方と面接をしていると、特に母親は、自分の育て方が悪かったとか、あの時こうしていればよかったかもとかおっしゃって、さめざめとして泣かれる。また、ある母親は、「どうして俺を産んだんや」とか自分のお子さんに言われた、辛い思いを語られる。また、そうした思いの中にいると、どうしてもお子さんの「暴力」「暴言」を受け入れてしまったりする。「ごめんなさい」という思いがあって。
 
  そうした場合、私は冷たいような言い方かもしれませんが「過去に戻れるのですか」「やり直せるのですか」と言葉をかけたりします。そして、だから、「これから」「今から」「何をすればいいか」「何が出来るか」を一緒に考えませんかと声をかけます。もちろんその辛い思いに寄り添いながらです。
   
  

2013年10月21日月曜日

 昨夜のNHKで、「うつ」について放送されました。人類が「うつ」になる進化の過程などもあり興味深いものでした。
 恐怖などのさいに海馬が活性化する。それが「記憶力」を伴うことで持続し、更に、言葉を伴って、直接経験していない人にも伝わる。簡単に書けばそういうことでした。
 また、けがなどをして群れから離れ、「孤独」になることで、「うつ」になるチンパンジーの例などもありました。
 更に興味深かったのは、現在も狩猟生活をしているある人々のことを元に実験をした話がありました。それは、狩猟生活をしている人たちは、とってきた肉をきちんと平等に分けているということ。それを元にお金を分配するときに、沢山もらうと海馬がどうなるか。少なくもらうとどうなるか。平等に分けるとどうなるかと言うことを実験したようです。
 結果は、多いときも、少ないときも人は、海馬が活性化する。平等だと活性化しないということだと言うことです。つまり、平等にな生活をしていると「うつ」にはならない。少なくともなりにくいと言うことのようです。
 現代の競争社会が「うつ」を作っているというのが、その番組からの私の感想です。また、その番組の中でも、平等が効率がいいというようなことを言っていたように思いました。あえて書き足せば、現代の競争社会が孤独を生み、更には競争によって不平等を生み、海馬を活性化させ「うつ」を作っていると思われてきます。「うつ」について日頃から考えている私には、非常に興味深く考えさせられる番組でした。